42.195キロ、フルマラソンは一瞬でゴールに辿り着ける。

 物事を始めて完了するまで一定の時間は必要のはず。だが、そうは考えない人種が存在する。別にそういう人間の仕事が格段に速いわけではない。自分自身は平均以下の作業スピードのくせに人にはモーレツな速さを求める。何も根拠がなく。ありのままを言えば、スピードではなく時間ゼロを本気で求めている。その人の脳内では時間の概念がないのだ。別に障害者の認定を受けている訳ではない。普通に生活して社会の中に存在している。
 前回とは別の例をご紹介する。ボール盤を使っていた。穴加工をしてネジ切りをする機械。部品を作業台の上にセットし工具で固定して大小14~16個の穴を開ける。先端にドリルの付いたヘッドをハンドルで移動して加工ポイントの真上に来たら位置を微調整し、図面の寸法どおりに加工する。ハンドルを手前に引く操作をするとドリルが下降をし始める。1個辺り10~12分ぐらいで全部の穴加工が完了する。全部で部品15個。1個目が終わったあたりで彼らの攻撃が始まった。組立作業者が二人ほど近くに立って見ている。まだ手付かずの部品をわざと覗き込むように。「見てるのにやらんのか」今現在全ての部品が完了していないのがよほどご不満のようだ。朝から、それまでの時間は別の作業をしていたので、サボっていたわけではない。
 彼らの状況認識はこうだ。過去、現在、未来の時間軸は存在しない。現在の瞬間だけで得られる情報で全てが完結している。我々が三次元の世界にいるなら、彼らは二次元の世界にいる。部品1個めが出来て2個をしている。残り13個をやり残しているのは、1,2個めは好きなものだから、もしくは楽しいから、やってる。
13個は気に入らないから避けている。好き嫌いをしなければ、15個全部、自分達が見ている間の瞬間にできるはずだ。と彼らは本気で考えている。

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